歯科治療

むし歯治療

※閉院済み

いちご歯科クリニックでは天然の歯を守るため、できるだけ削らない治療に取り組んでいました。

いちご歯科クリニックでは、なるべく「削らない」「抜かない」治療を心がけていました。むし歯が初期段階であれば、食生活習慣の改善をお勧めし、毎日のブラッシングを丁寧に行っていただきながら経過を観察していました。進行しているむし歯に対しても、削る部分を最小限に留め、神経をできるだけ残すよう努めていました。

また、ダイアグノデントを使用してむし歯のリスクを数値化し、具体的なむし歯予防の方法をわかりやすく説明していただきました。
これにより、患者さまにより理解しやすい形での予防策を提供していたことが特徴です。

●ダイアグノデントダイアグノデント
むし歯の進行状態を数値化する最新のむし歯診断器。レーザー光線を歯に照射し、その反射光を読み取ることで初期のむし歯も発見します。また、同時にそのむし歯の治療の必要性も判定できます。

むし歯の進行と治療

むし歯は、進行すれば進行するほど治療期間も長くなります。それに伴い、治療費もかさみます。そのため、できる限り予防して長く管理することが大切です。

COCO
歯の表面部分のむし歯です。初期段階のため痛みは伴いません。歯磨きなど毎日のケアに気をつけることで、歯を再石灰化させて改善できます。

C1C1
歯の表面のエナメル質が溶けることで表面が黒くなった状態です。この段階でもまだ痛みを感じることはありません。悪くなった部分を削って詰める治療をする場合、麻酔は必要なく、削る部分は最小限で済みます。

C2C2
歯の内部でむし歯が広がって象牙質にまで達した状態です。冷たいものや甘いものがしみて痛みを感じます。治療時には痛みを感じないよう麻酔を行います。悪くなった部分を最小限削り取ってから、詰め物や被せ物をして穴をふさぎます。

C3C3
歯の神経までむし歯が達した状態です。温かいものがしみたり噛み合わせると痛みを伴ったりします。この段階になると、むし歯を起こしている菌を完全に除菌するための根管治療が必要です。ほとんどの場合、神経も抜き取らなければなりません。

C4C4
むし歯が歯の根まで達した状態です。神経が死んでしまいますので痛みがない場合もあります。この段階になると、ほとんどの場合で抜歯が必要です。また、むし歯を引き起こす細菌が血管に入り込み、心臓病や腎臓病といった全身疾患を引き起こすこともあります。

プラークコントロールについて

プラークコントロールは、歯科衛生において非常に重要な概念です。
これは、口腔内のプラーク(歯垢)を効果的に管理し、除去するための一連の習慣や手法を指します。

歯垢は、食べ物の残りかす、唾液、口腔内の細菌などが混じり合ってできた粘着性のある生物学的膜で、歯の表面に付着します。

歯は治療すればするほどなくなってしまう

歯の治療、特にむし歯の治療が、しばしば歯の自然な構造を削除する必要があるという事実に基づいています。

むし歯の治療では、虫歯に感染した部分を除去し、その部分を人工物で修復する必要があります。このプロセスで以下のようなことが起こり得ます:

  1. 歯質の喪失:むし歯の部分を取り除くために、健康な歯質も一部削られることがあります。
  2. 構造の弱化:歯を削ることで歯の構造が弱くなり、将来的に割れやすくなる可能性があります。
  3. 再治療の必要性:詰め物や被せ物(クラウン)が損傷した場合、さらに治療が必要になり、その過程で更に歯質を失うことがあります。
  4. 治療の限界:治療を繰り返すと、歯の保存が困難になり、最終的には抜歯が必要になることもあります。

このため、予防歯科の重要性が強調されます。定期的な歯科検診、適切な口腔衛生習慣、健康な食生活を通じて、むし歯やその他の口腔疾患を予防することが、最終的には自分の歯をできるだけ長く保つための最善の方法です。

生活習慣病の改善(酸蝕症の予防)
プラークコントロールと生活習慣病の改善、特に酸蝕症の予防との間には密接な関連性があります。これらは口腔衛生と全身健康の相互作用の一部として理解されます。

プラークコントロールと全身健康:

プラーク(歯垢)の蓄積は、歯周病のリスクを高めます。
歯周病は心臓病、糖尿病、呼吸器疾患などの生活習慣病と関連があるとされています。
正しいプラークコントロールによって、これらの全身疾患のリスクを減らすことができる可能性があります。
酸蝕症と生活習慣病:

酸蝕症は、食品や飲料の酸によって歯のエナメル質が溶解する状態です。
一部の生活習慣病(例えば胃食道逆流症や特定の食習慣)は、酸蝕症のリスクを高めることがあります。
したがって、健康的な食生活を心がけることは、酸蝕症の予防にも寄与します。
プラークコントロールと酸蝕症:

プラークコントロールは、酸蝕症に対して間接的に影響を及ぼします。
歯垢の中の細菌は、食べ物から糖分を分解し、酸を生成します。これが酸蝕症を促進することがあります。
歯垢を効果的に除去することで、このプロセスを減少させ、酸蝕症のリスクを低減できます。

要するに、プラークコントロールは、口腔内の健康を保つだけでなく、全身の健康状態を改善し、
酸蝕症を含むさまざまな口腔疾患の予防に寄与する重要な役割を果たします。
健康な食生活と組み合わせることで、これらのリスクをさらに減らすことができます。

歯磨き上手になる(歯の表面からむし歯の原因菌を除去)
歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、奥歯の溝など、歯ブラシの毛先が届きにくい部分のお手入れには、特に注意を払いましょう。必要に応じて、デンタル・フロスや歯間ブラシのご使用もお勧めいたします。

一生懸命に歯ブラシで磨くことは大切ですが、摩擦によって歯や歯ぐきを傷めてしまうことがあるため、ご注意ください。特に外側(唇頬側)の歯の中央部分は、ブラシの摩擦力が強すぎると知覚過敏や根の部分がくの字型に削れる(くさび状欠損)ことがあり、むし歯のようにしみることもございます。

特に磨き残しが発生しやすい歯と歯の間などは、ブラシの束が1本だけの歯ブラシを使用することが効果的です。つまようじを使う際のように、歯の面に垂直か、噛む面の方向に毛先を向けて、1箇所につき10回程度軽くかき出すようにしてみてください。

さらに、歯ブラシの毛先を歯ぐきに向ける際は、鳥の羽でさするような優しい感触で磨くことを心掛けましょう。歯ぐきは非常にデリケートな部分ですので、丁寧なお手入れをお願いいたします。

フッ素を利用(歯を守る力を強化)
フッ素は、薄い濃度のものを何回も利用することが効果的です。
最も有効な方法は、水道水に添加することです。50年程前から実証され、世界60カ国ほどでフッ素の水道水添加が成果をあげています。

しかし残念ながら日本では法施行されていません。緑茶やウーロン茶などの中には微量のフッ素が含まれています。
これらだけを飲んだあとは口の中が酸性に偏りすぎることもありませんので、水分摂取が必要なときや食後の一服としてお試しください。

根管治療

むし歯になったとき、基本的には歯の悪くなった部分を削り取って、詰め物をすれば治療終了です。
しかし、歯髄と呼ばれる歯の中心部にまでむし歯が及んでしまうと、それだけでは終わりません。

神経が通っている歯の根の部分を根管と言います。
むし歯の原因となる細菌がこの根管部分にまで達して炎症を起こすと、歯根に膿が溜まった状態となってしまいます。

その場合は、根管治療をしなければなりません。

根管は非常に複雑な形をしていて、中を肉眼で見ることはできません。
そのため治療が非常に困難です。しかし、根管内を完全に殺菌しなければ内部でむし歯が再発・進行してしまいます。

治療方法
根管治療の方法は、まず歯の神経が入っていた部分(根管)を専用の器具を使ってきれいに洗浄します。
薬を詰めたあと、詰め物を入れます。

この際、むし歯を完全に取りきらないと再発してしまいます。
根管治療には緻密な歯科技術が必要とされます。