肉の危機
お気に入りだった焼肉店の銀座店が、昨年末で閉店してしまいました。テレビなどで取り上げられて話題の「焼肉きんぐ」とはちょっと違いますが、食べ放題で、秋葉原などの系列店と同じ値段で、コスパだけではなくて眺望が最高でした。
子どもの頃、カレーライスの肉と言えば鶏だったのですが、大阪では、カレーライスと言ったらビーフカレーなので、大阪の人が「上京したときに、ビーフカレーとかポークカレーとかチキンカレーと、いちいち書いてあるのを見て驚いた」と言っていたのを聞いて、'さすが大阪の人はお金持ちなんだな'と思ったものでした。
日本の食料自給率は、38%ほど。牛肉はそれを下回り、豚肉はやや上回り、鶏肉は6割ほどです。消費量は豚肉、鶏肉、牛肉の順でしたが、ひと昔前から鶏肉が逆転して、鶏肉、豚肉、牛肉の順になっています。
3.11で被災した宮城県内のメーカーが開発したサラダチキンは、今では様々な業者が多くの種類を製造していて、全国のコンビニ・スーパーなどに並んでいますが、サラダチキンの普及が大きかったかもしれません。
さて、全世界で作られている穀類を人口で均等に分配すると、ひとりあたり約2300kcal摂取できるので、飢餓の問題は起こらないように思いますが、穀類の1/3ほどは家畜の飼料にあてられているのだそうです。肉牛は大量のとうもろこしなどを与えられていますが、1kgのとうもろこしを作るために必要な水は1,800リットルほどで、牛肉1kgを得るためにはその約20,000倍の水が必要なのだそうです。
水が充分に供給されているならば大きな問題はないのですが、アメリカ合衆国の穀倉地帯で地下水を汲み上げてとうもろこしを作っている地域では、あと10年ほどで地下水が底をつくとか。
昨今の極端な気候が災いして、干ばつの被害があったりしたら、10年経たないうちに輸入牛肉がストップしてしまうかもしれません。
「狂牛病のときの騒ぎなんて問題じゃないことが、あと10年ほどで起こる?」
そもそも、食料自給率が4割に満たない国で、食べられる食料を飽食と言われるほどに大量に捨て続けてきたバチがあたらないはずがないのです。実際に、日本と同じ食料自給率が4割ほどだった某国は、今、大変な食糧難に瀕しています。コロナ禍だけでも大変な現状ですが、地球の反対側のことと思っているうちに、このままでは食糧難がいずれ降りかかってきます。
日清食品の「謎肉」などの大豆ミートが、焼肉用やハンバーガーのパティ用などにも実用化されつつあります。
「なるほど、何となくとか、遊び半分で作っているんじゃなくて、その対策のためでもあるんだね!」
そうです。牛肉よりも安く美味しく、地球環境にも優しくと、一挙両得どころか一挙鼎得を狙っているわけです。
棺おけに片足か両足も突っ込んでいるような、指導者と言われる80歳前後の政治屋は10年後、20年後の未来を語れるでしょうか。若者にこそ10年後、20年後を教示してほしいです。
「先生」と呼ばれる人は、必ずしも聖人君子ではなくて、温故知新から人々を導く人です。ポンコツ爺を批判する暇があったら、当たり前のできることをひとつずつ積み重ねて、明るい未来を切り開きましょう。
「10年後は、『ビーフカレーを食べるなんて、大金持ちですね❗』と言いそうな世の中になると思うと悲しい。負け惜しみかもしれないけど、『大豆ミートのほうが旨いよね』とか言って、笑って生きたい。でも、大豆も大部分が輸入か。なるほど、何とかするために、生きよう‼️」