強く噛みすぎることが歯のトラブルの原因に
このような症状は、歯に力がかかり過ぎるために起こります。これは、歯周病の原因にもなります。
歯周病の予防においては、
・歯磨きを丁寧に行うことと
・噛む力を優しくすること
が大変重要なポイントとなります。
歯磨きは、練習によって上達することができます。しかし、噛む力を適切にコントロールすることは、なかなか難しいことかもしれません。
特に、「噛む力を強くしないように」という否定的な思考は、思わぬ痛みを招く可能性があり、注意が必要です。
難しいのは眠っているときのケア
パソコン作業などに集中していると、知らず知らずのうちに上の歯と下の歯が触れ合っている時間が長くなることがあります。
日中は「上の歯と下の歯を意識的に離す」ことで、この状態をある程度防ぐことができるでしょう。
しかしながら、夜間には無意識に歯ぎしりや食いしばりをしてしまうことがあります。
これに対する一つの対策として、オーダーメイドのナイトガード(マウスピース)を作る方法があります。
ただし、「夜寝る前にナイトガードを装着して眠るはずが、朝には枕元に落ちていた」という経験をされた方もいらっしゃいます。
ナイトガードは通常3~4mm程度の厚みがありますが、厚すぎると嘔吐反射を引き起こすことがあります。
また、違和感を感じて症状が悪化する可能性も否めません。
したがって、歯ぎしりや食いしばりがナイトガードによって必ずしも改善されるとは限らないのです。
頑張り過ぎず、笑い飛ばしましょう
普段、唇を閉じているとき、上の歯と下の歯の間には約2mmの隙間があるのが普通です(これを安静時空隙と呼びます)。
1日24時間のうち、上の歯と下の歯が接触している時間は、せいぜい10分程度に過ぎません。
したがって、睡眠中ずっと上下の歯が接触している状態は、大変危険なことです。
例えば、鉄アレイを用いた1日5~6分の筋トレは良い運動になります。
1~2時間であれば、少し筋肉痛が生じるかもしれませんが、可能です。
しかし、6時間も肘を曲げた状態で鉄アレイを持ち続けると、それはもはや運動とは言えません。
最後まで頑張っても、肘が曲がったまま動かなくなる恐れがあります。
睡眠中ずっと上下の歯が接触している状態だと、朝起きた時に口が開かないということも考えられます。
また、歯の接触時間が長すぎると、顎関節症の原因になることもあります。
噛む力を和らげることは容易ではありませんが、健康な歯を維持するためには重要なことです。
「復興のために、歯を食いしばって頑張ろう」という呼びかけがありますが、それは歯周病や顎関節症を助長しかねません。
無理に頑張る必要はありません。
リラックスして、笑顔で毎日をお過ごしください。